台湾旅行は現地の言葉が話せなくても大丈夫か

台湾といえば英語圏の国ではないですから、旅行の際に不安をお抱えの方もいらっしゃるかもしれません。「日本語が通じるって聞くけど実態は?」「中国語も英語も話せないけど大丈夫?」「どんな翻訳アプリがいいの?」「覚えておくと便利なフレーズって何?」こんな疑問に一挙にお答えしていきます。

台湾旅行は言葉が話せなくても大丈夫か

台湾の公用語

まず前提として、台湾の公用語は台湾華語と呼ばれるもので、ごく簡単に言うと、ベースとしての中国語が若干変形したものをいえるでしょうか。日本で習う「中国語」も通じますが、現地の方々の話し言葉を聞くと、いわゆる「中国語」とは少し発音が違う単語があったりします。

なお文字については、中国本土で使用される「簡体字」とは異なり、台湾では複雑な字体の「繁体字」が使われているため、漢字に慣れている日本人でも読解が難しい場合があります。

メニューを見てもわからない…?

日本語は意外に通じない

台湾旅行に行く際、「日本語が意外と通じる」という話を聞いたことがあるかもしれません。台湾は日本の統治下にあった歴史があるため、高齢者の中には日本語を理解する方もいることや、「親日国」として知られていることから、「意外に日本語も通じるよ」なんて説がよく飛び交うのですね。

しかし、実際のところ、日本語を話せる人の割合はそれほど多くありません。観光地や日本人向けのホテル、大型ショッピングモールでは、日本語を話せるスタッフがいることもありますが、それはごく一部。特に、地元の食堂や夜市、一般的なスーパー、タクシーなどでは日本語がほとんど通じないと考えておいたほうがよいでしょう。

むしろ、英語の方がやや通じやすい傾向にあります。台湾でも小学校から英語教育が義務付けられているため、特に若い世代は基本的な英語を理解できる人が多いです。英会話をマスターしている大学生は多いですし、日本と同じように、「Yes」「OK」「One」「Two」くらいの言葉は誰でも理解できます。

また、台北や高雄などの都市部では、カフェやレストラン、ホテルのフロントスタッフが英語で対応できる場面も増えています。特に国際的な観光スポットや空港では、英語の案内表示も充実しており、英語を使えばある程度の意思疎通が可能です。

それでも旅行はなんとかなる

言葉が通じないと旅行が不安に感じるかもしれませんが、それで旅行が楽しめないなんてことはないのでどうかご安心を。

例えば、屋台などで商品を購入するときは、欲しいものを指さして「ワン(1)」「ツー(2)」と言うだけで、ほとんどの場合は伝わります。飲食店でも、メニューの写真を指しながら個数を伝えれば、スムーズに注文できることが多いです。特に夜市では、日本人観光客に慣れている店主も多く、少しのジェスチャーで注文を受けてくれることもあります。「袋入りますか?」みたいなことを聞き返されることもありますが、ゴニョゴニョしてれば適当に話を進めてくれるので大丈夫です(笑)。

また、スマートフォンの翻訳アプリを活用するのも有効な手段です。Google翻訳を使えば、日本語を中国語(繁体字)に変換できるだけでなく、カメラ機能を使ってメニューや看板の翻訳することも可能です。やりとりに少し時間はかかりますが、音声翻訳機能を使えば、現地の人と会話のやり取りをすることもできます。ただし、翻訳アプリはインターネット接続が必要な場合が多いため、Wi-Fi環境を整えておくか、オフライン翻訳機能を事前にダウンロードしておくと安心です。

あるいは、たとえばタクシーを利用する際には、行き先を漢字で書いて運転手に見せると、スムーズに伝わります。スマホの地図アプリを使って目的地を見せるのも効果的ですね。

ということで、いわば“当たり前の工夫”をすれば、言葉が話せなくても台湾旅行を十分に楽しむことができるというわけです。

より快適に過ごすために

スマホ翻訳で便利なツール

とはいえ正確に何かを伝えたいシーンも出てくることでしょう。そういうときに最も役立つのが、先ほども述べたスマートフォンの翻訳ツールです。現在は精度の高い翻訳アプリが多数提供されており、インターネット環境さえあれば簡単に中国語(繁体字)とのコミュニケーションが可能になります。

まず定番の「Google翻訳」は、無料で使えて機能も豊富なため非常に便利です。特にリアルタイムカメラ翻訳機能が優秀で、メニューや看板をカメラでかざすだけで中国語を日本語に変換できます。また、テキスト入力や音声翻訳も可能なので、会話が必要な場面でも活用できます。さらに、オフライン翻訳機能を事前にダウンロードしておけば、インターネット接続がない場所でも翻訳ができるため、移動中やWi-Fiがない環境でも安心です。

もう一つおすすめなのが「DeepL翻訳」です。Google翻訳と比較して、より自然な日本語訳を提供するのが特徴で、長文や細かいニュアンスを伝えたいときに便利です。ただし、中国語(繁体字)の翻訳精度はGoogle翻訳に比べるとやや劣るため、簡単な会話にはGoogle翻訳、文章の意味をしっかり理解したいときにはDeepL翻訳を使うとよいでしょう。

旅行中に会話をする機会が多い場合は、「SayHi翻訳」や「VoiceTra」などの音声翻訳アプリも役立ちます。これらは話した言葉を瞬時に翻訳して音声で再生してくれるため、対面でのコミュニケーションがスムーズになります。特にタクシーで行き先を伝えたいときや、飲食店でオーダーをしたいときなどに便利です。

あるいは誰でもスマホに入っているであろうLINEにも翻訳機能があり、「LINE翻訳」ボットを追加しておくと、LINE上で簡単に翻訳ができるので、現地の人とチャットでやり取りする際にも使えます。

基本的にはGoogle翻訳さえあれば特に困ることはないのですが、余裕がある方は、上記をそれぞれ事前に試しておくと、より有意義な旅行にできるかもしれません。

覚えておくと便利な中国語フレーズ

簡単な中国語フレーズを覚えておくと、よりスムーズにコミュニケーションが取れるし、何より楽しいはずです。以下、最低限覚えておくと便利な言葉をご紹介しておきます。

まず、基本的なあいさつとして「你好(ニーハオ)」は「こんにちは」、「謝謝(シエシエ)」(シェイシェイではなく、シエシエ(xie xie))は「ありがとう」の意味で、誰に対しても使えます。このあたりはまだ誰でも知っているかもしれませんが、ちょっと難易度が上がると、「不好意思(ブーハオイースー)」は「すみません」にあたり、道を尋ねるときや店員さんに声をかけるときに便利です。

飲食店にて

買い物やレストランで使う「これをください」は「我要這個(ウォーヤオジェガ)」がよく言われるところでしょうが、これは英語で言う「I want this one」となります。それよりも、「Give me this one」を意味する「给我這個(ゲイウォージェガ)」の方が自然だし使いやすい気もします。「给我一個(ゲイウォーイーガ)」で「1つください」ですね。まあ、数は英語で「ワン」「ツー」で全然OKです。

なお英語では「Please」を頭につけて丁寧な表現にするのと同じように、「请」(チン)を頭につけるのも手ですが、中国語が話せない旅行客にそんな配慮は不要です。できるだけシンプルに、「ゲイウォージェガ」「ゲイウォーイーガ」だけ覚えておくのがよいでしょう。

よく、「いくらですか?」⇒「多少錢(ドゥオシャオチェン)」も覚えておくと良いと言われますが、これ、伝わったとしても相手の返答が中国語で返ってくると、理解できないんですよね(笑)。どうせ聞き取れないなら、最初から「How much」でいくか、スマホや紙に書いてもらうなどの対応でOKです。

それと「內用(ネイヨン)」は「店内で食べます」、「外帶(ワイダイ)」は「持ち帰り」の意味なので、カフェやレストランで注文するときに役立ちます。飲食店に入った瞬間「內用、外帶吗?(ネイヨン、ワイダイマ?)」と聞かれることがありますが、ここで「內用(ネイヨン)」などとすらっといえると気持ちいいです(笑)。

行きたい場所があるとき

タクシーに乗る際や道を尋ねるときは、「ここに行きたい」は「我想去 這裡(ウォーシャンチュー ジェリ)」。「我想去」(ウォーシャンチュー)が「I want to go to…」なので、その後に行きたい場所を英語で示せば伝わるでしょう。

トイレを探すときは「廁所 在哪裡?(ツォスォ ザイナーリー)」と覚えておくと安心です。「在哪裡」(ザイナーリー)が「どこにある?」なので、場所を知りたいところを英語で伝えて、「ザイナーリー」と言えば、これもまた伝わるでしょう。

こうしたフレーズを少しでも覚えておくと、現地でのコミュニケーションがスムーズになり、旅の楽しさが増すはずです。スマホの翻訳アプリと組み合わせて使うことで、台湾旅行をより充実したものにしましょう!

よろしければシェアをお願いします
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!