台湾で「日本語を話すな!」事件勃発?旅行中に注意することはあるか

もうだいぶ前になるのですが、台湾の飲食店で、日本語で会話していた人たちに向かって「日本語を話すな!」と台湾人女性が怒鳴りつけたことが一時期話題になりました。今回はその“事件”の顛末と、実際に我々が台湾旅行をするときに気をつけた方がいいことがあるのかどうか、考えていきます。

「日本語を話すな!」事件とは

写真はイメージ

2014年、台湾の首都である台北市で、日本語を話していた日本人と台湾人が「日本語を話すな!」と近くにいた女性に怒鳴られるという出来事が起こりました。この事件は、日本人旅行者と食事をしていた台湾の人気ブロガーが、日本語で会話していたところ、突然、女性が激しく非難したというものです。その女性は「台湾で日本語を話すのは恥だ」「南京事件を忘れたのか」といった厳しい言葉で彼らを責め立てたといいます。彼女の言動は、その場にいた人々を驚かせ、インターネット上でも波紋を広げました。

この事件の背景には、台湾と日本の歴史的な関係が影響している可能性があります。「親日」として知られる国ではありますが、台湾はかつて日本の統治下にあり、特に高齢の世代の中には、日本統治時代の出来事を否定的に捉える人もいます。とはいえ、このような激しい反応は非常に稀であり、多くの台湾人は日本文化に対して好意的な感情を持っています。

この事件は瞬く間に動画としてインターネットに公開され、台湾国内外で大きな話題となりました。多くの人が驚き、なぜこのような出来事が起こったのか、そして台湾と日本の関係はどのようなものなのかを考えるきっかけとなったと言えます。

ネットでは台湾人からも非難轟々

この事件がインターネット上に拡散されると、多くの台湾人から激しい非難の声が上がりました。SNSや動画のコメント欄には「台湾は台湾だ!中国じゃない!」といった強い反発や、「南京事件は台湾と関係ない。何を言っているんだ?」という冷静な意見も目立ちました。また「日本語を話すことが恥だという発言は時代錯誤だ」といった意見や、「日本と台湾の関係を正しく理解してほしい」といったコメントも寄せられました。

このような反応が多く見られた背景には、台湾が一般的に親日的な国であるという事実があります。事件に対して、「一部の過激な意見を持つ人が騒いだだけ」という意見が多くの台湾人から寄せられたのもそのためです。実際、台湾人の多くは日本語を学んでいる人が多く、日本文化への興味も非常に高いです。そのため、この事件を不愉快に感じた台湾人が多かったのは当然とも言えます。

さらに、「台湾で日本語を話すことは普通のこと」「台湾は多言語、多文化を尊重している」といった声も多く寄せられ、事件を起こした女性の言動は台湾社会の一般的な考え方とは異なるものだという認識が広がりました。この事件をきっかけに、多くの台湾人が「日本語を話すな」というような排他的な考えを否定し、台湾社会が持つ多様性や寛容さを改めて示す形になったと言えるでしょう。

台湾旅行中に心配することはない

台北市内の夜市にて

台湾は一般的に非常に親日的な国として知られています。歴史的な背景や文化的な交流を通じて、日本に対する好意的な感情を持つ台湾人が多く、観光客にとっても安心して旅行できる国です。実際、日本からの観光客数も年々増加しており、現地での日本語対応も増えていることから、多くの日本人が快適に旅行を楽しんでいます。

2014年の「日本語を話すな!」という事件は、台湾における非常に特殊なケースです。多くの台湾人がこの事件に対して批判的な態度を示していたことからも分かるように、台湾全体が反日的なわけではなく、このような出来事はごく稀なものです。通常、台湾では日本語を話しても問題はなく、むしろ現地の人々から親しみを持って接してもらえることが多いです。

もちろん、旅行先ではその国の文化や歴史に対する尊重が必要です。しかし、台湾で日本語を話すこと自体が問題視されることはほとんどありません。観光地やレストラン、ホテルなどでは日本語対応が可能な場所も多く、スタッフも日本語を理解することができる人が多いです。そのため、今回の事件を過度に心配する必要はなく、台湾旅行を楽しむ際に不安を感じることはないでしょう。

むしろ、私が現地で日本語で話していたら、日本語を勉強しているという台湾人から話しかけられたこともありました。曰く、「日本人と友達になりたい」という台湾人は多いようですよ。

ということで、日本人観光客にとって台湾は非常に安全で歓迎される旅行先です。特別な注意を払う必要はありません。とはいえ、どの国でも共通して言えるように、現地の文化やマナーに配慮しながら旅行を楽しむことは大切ですね。

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