法学部や経済学部でも留学するメリットや意味はあるか

「大学時代に留学に行きたい」

そうお考えの方は少なくないでしょう。しかし、法学部や経済学部など、「The 文系」の学部で留学をするメリットや意味とは、何かあるものでしょうか。

そんな疑問をお抱えの方へ、実際のところをお伝えしていきます。

目次

学部に関係なく価値ある経験ができる

まず前提として、海外留学は、どの学部に所属していても貴重な経験になります。学問の専門性に関係なく、異なる文化の中で生活し、学ぶこと自体が大きな価値を持つからです。

よく言われるのは、海外での生活を通じて、日本とは異なる価値観や考え方に触れることができることや、言語の壁を乗り越えながら生活することで、語学力も自然と鍛えられることでしょうか。現地で授業を受けたり、日常生活の中で現地の人々と会話をすることで、机上の勉強とは異なる実践的な言語能力が身につくのはたしかだと思います。

しかし私自身の経験を述べると、「一生の中で今しかできないことができた」ということ自体が、一番のメリットだったと感じています。

「あまり勉強しない大学生活だったけど、留学中だけは頑張ったな」「大変だったけど、日本ではできないこと、感じられないことがたくさんできた」「第三の故郷のように思える国ができた」

将来に直接役に立つかどうかは別として、こういう感情こそが、貴重な財産になっている感覚があるのです。

さらに、留学経験のエピソードは、就職活動においても有効に活用することができるでしょう。企業の採用担当者は、単なる学歴や成績だけでなく、個人の経験や挑戦したことにも注目します。留学経験があることで、それ自体が評価につながるかどうかは企業にもよりますが、話し方によっては少なくとも、「異文化の中で適応する力がある」「未知の環境でも積極的に学び、行動できる」といったアピールポイントになります。面接で「留学中にどのような困難を経験し、それをどう乗り越えたのか」を話すことで、自己成長のストーリーとして伝えることもできます。

このように、留学は学部に関係なく、人生の経験値を大きく向上させる機会といえます。直接のメリットもあるものの、それ以外の“感情的なメリット”だけでも、大きな価値があるのではないでしょうか。

法学部の留学のメリット

その前提で、たとえば法学部ならではのメリットがあるのかどうか、考えていきましょう。

実は法学部の学生が海外留学をする場合、他の学部の学生にはない特有のメリットがあるといえます。

その一つが、「法律の違いを学ぶことができる」という点です。法律は国ごとに異なり、それぞれの国が持つ歴史や文化、社会の在り方を反映しています。日本の法律と海外の法律を比較しながら学ぶことで、法の成り立ちや運用方法について深く理解することができるでしょう。特に、英米法をはじめとする外国の法体系を学ぶ機会は、将来的に国際的な視点を持った法律家を目指す場合に大きな強みとなります。

また、法学を学ぶ上で欠かせない論理的思考力や議論のスキルも、留学によってさらに磨かれる可能性があります。海外の大学では、ディスカッションやディベートの機会が多く、学生は自らの意見を論理的に主張し、相手の意見を理解した上で反論することが求められます。このような経験は、日本の大学ではなかなか得られないものです。特に法学部の学生にとっては、論理的思考力を鍛える絶好の機会となるでしょう。

さらに、海外留学を通じて、国際的な法律に関心を持つきっかけにもなります。例えば、人権問題や国際取引法、環境法など、グローバルな視点が必要とされる分野は数多くあります。留学をきっかけに、そうした分野に興味を持ち、将来的に国際的な舞台で活躍する法曹を目指す道も開けるかもしれません。このように、法学部の学生が海外留学をすることは、単なる語学習得にとどまらず、法律の知識を深めたり、国際的な視点を養ったりする点で大きな意義があるといえます。

経済学部の留学のメリット

一方、経済学部の場合、経済学の基礎的な理論や概念は世界共通であることが多いため、「学問的な内容」に限れば、日本で学ぶのと大きな違いがないといえます。

とはいえ、「異なる経済環境の中で経済学を学べる」という点は決して小さい価値ではありません。日本と海外では経済の仕組みや市場の動きが異なります。例えば、欧米では市場経済がより活発で、ベンチャー企業の文化が根付いている国も多くあります。一方、新興国では発展途上の市場経済を目の当たりにすることができるでしょう。このように、異なる経済圏の中で学ぶことで、日本の経済との違いを肌で感じながら学習を進めることができます。

また、留学先によっては実際に企業訪問やインターンシップの機会が得られることもあります。海外企業の経営方針や働き方を直接学ぶことができれば、将来的にグローバルなビジネスパーソンを目指す上で大きな武器となるでしょう。特に、多国籍企業が集まる地域や経済成長が著しい国で学ぶことで、教科書では得られないリアルな経済の動きを体験することができます。

また将来の目を向けると、経済学部の学生が海外留学をすることで、語学力を生かして国際的なビジネスの場で活躍する可能性も広がります。例えば、英語や中国語が堪能であれば、将来的に外資系企業や国際機関で働くチャンスが増えるでしょう。経済学そのものは世界共通の理論が多いとはいえ、それを異なる文化や環境の中で実践的に学ぶことで、日本では得られない視点を持つことができるのです。

ということで、かつて学生時代に留学した経験を持つ人間が、学部ごとの留学メリットがあるのか、お伝えしてきました。私の経験については関連記事も参考にしてみてください。

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