台湾旅行で欠かせない屋台メシ。とはいえ気になるのがその衛生状況でしょう。実際にお腹を壊すリスクはどの程度あるのか、またそんなリスクを避けるにはどうお店を選べばいいのか。簡潔にお伝えしていきます。
台湾の屋台の衛生状況

台湾の屋台の衛生基準は、日本と比べるとやや緩やか、といったところでしょうか。厳密に言うと、お店ごとに衛生管理の基準や実施状況に差があるのが実態といえそうです。
夜市も含め、屋台や路面店の多い台湾は、屋外での調理が一般的な国です。特に屋台の多くはオープンキッチンで、道路沿いにコンロや調理器具が並び、通行人のすぐ横で調理が行われます。風やほこりの影響を完全に避けることは難しく、加えて調理中の食材や料理が常温で置かれている光景も少なくありません。日本に比べてやや暑く、湿度も高めな国なので、そういった意味でもきちんと管理をしていないお店の場合は、どうしても衛生面では不安になってきます。
とはいえ、行ったことのある方はおわかりかと思いますが、観光客に人気のお店をはじめ、見るからに「大丈夫そうだ」というお店もたくさんあります。結局は、どの屋台もある程度清潔さが保たれている日本と違って、ちゃんとしているお店とそうでないお店の差が大きいというのが実態かと思われます。
台湾の屋台でお腹を壊すのか
ではそんな台湾の屋台でお腹を壊すことはあるのか。留学した経験を持ち、そして旅行でも台湾に度々訪れている私ですが、実際に屋台料理でお腹を壊した経験は1度あるかどうか。つまり私自身はほとんどないということです(スーパーで買った牛乳ではよくお腹を壊していましたが…)。
意外に衛生的に日本と同程度のお店も多く、それに台湾の屋台料理は加熱調理されたものが中心です。熱をしっかり通していれば、基本的には食中毒のリスクは低くなるというわけですね。

とはいえ、生ものや調理後に長時間放置された料理、氷や水を使った飲食物に関しては注意が必要です。例えば、牡蠣を使った料理やかき氷などが代表的なリスクのある食べ物として挙げられます。これらは保存状態によっては菌が繁殖しやすく、体調を崩す原因になることがあります。
あるいは、人気がある屋台では人の出入りが多く、食材の回転が速いため比較的新鮮な食事が提供される傾向がありますが、逆に空いている屋台では食材の鮮度に不安が残ることも考えられます。
まあ、お腹を壊すかどうかは「台湾の屋台=危険」という単純な話ではなく、体調、食材、店舗の状態など複数の要因が重なって起こるものということなのでしょう。
お腹を壊さないための注意点

では台湾の屋台料理を食べるにあたって、気をつけるべきことを挙げておきましょう。
まず一つ目は、先ほども少し述べましたが、「ある程度にぎわっている屋台を選ぶ」ということです。地元の人で賑わっている屋台は、料理の回転が早く、食材が新鮮な場合が多いです。また、人気店は衛生面にも比較的気を配っている傾向があります。並ぶのは少し面倒に感じるかもしれませんが、安全性と引き換えと考えれば納得できるのではないでしょうか。
当然、「調理の様子を観察する」ことも有効です。例えば、食材の保存方法が常温になっていないか、加熱が不十分ではないか、調理器具が汚れていないかなどをチェックしましょう。調理過程が見える屋台であれば、調理者の手の動きや食材の扱い方を見ることで、ある程度の衛生意識がわかります。
さらに注意したいのが、「生ものや氷を使ったものは避ける」という点です。特に旅行初日や体調が万全でないときは控えるのが賢明です。かき氷に使われる氷や、洗浄されたカットフルーツには水道水が使われている場合があり、敏感な方には合わないこともあります。マンゴーかき氷などの名物は、日本人にも人気な有名店で食べることをオススメします。
その上で備えておくとしたら、まずは「衛生グッズを持参する」ことでしょうか。アルコール除菌シートやジェルを持っていれば、手を拭いたり、テーブルや箸を軽く拭いたりすることができます。台湾では現地の方も食器をティッシュで拭いてから使うことがあるくらいですから。あるいは整腸剤や胃薬などを携帯していれば、万が一の体調不良にもすぐ対応できて安心かもしれませんね。
というわけで、台湾旅行中には避けては通れない屋台について、衛生面からリスクについてお伝えしてきました。最低限の注意は払った上で、ぜひ楽しい台湾旅行にしてください!