いくら親日国とはいえ、台湾に行くならきちんとした準備が必要な「海外旅行」であることに変わりはありません。しかし起こるかもわからないリスクに備えてそこそこの出費を強いられる保険に入るとは、なかなか抵抗があるし、そもそも申し込みが面倒くさいもの。
ということで本稿では、台湾旅行に行く際のおすすめの保険について、現実的な解をお示ししていきます。
海外旅行保険に対する基本的な考え方
まず、海外旅行において「保険は必要かどうか」という問いに対しては、ほとんどの専門家や旅行経験者が「最低限の保険は入っておくべき」と答えるでしょう。
これは、たとえ滞在先が比較的安全とされる国であっても、病気・ケガ・盗難・フライトの遅延など、何らかのトラブルに遭うリスクはゼロではないからです。むしろ非日常の土地であるからこそ、そのリスクは小さくないといえます。
特に海外では、日本の健康保険が一切使えないため、ちょっとした通院や処方薬でも想像以上の費用が発生する可能性があります。例えば、現地の病院で軽い腹痛を診てもらうだけでも、1万円を超える請求が来ることは珍しくありません。さらに、通訳や現地医療機関との連携が必要になると、精神的な負担も大きくなります。
補償は最低限でOK
ただし、すべての旅行者に「手厚い補償を持つ保険」が必須というわけではありません。むしろ、健康状態に問題がなく、特別な事情もない方にとっては、必要最低限の補償が備わっていれば十分というケースが多いです。多くの海外旅行愛好家の間でも「万が一に備える程度でよい」とされています。
このときに意識すべきなのは、主にカバーすべき補償の範囲です。たとえば、「治療・救援費用」「携行品損害」「賠償責任」などが基本の補償内容となります。逆に、数千万円規模の死亡保険金などは、ご家族を残して長期滞在するなどの特別な事情がない限り、重視しなくても構いません（最低限必要な補償額の目安はこちらの記事に）。
また、あらかじめ旅行全体にかかる費用とリスクを天秤にかけて、「もし何かあっても対応できる自己資金があるかどうか」も判断材料の一つになります。自己負担が難しい場合は、やはり最低限の保険には加入しておいたほうが安心です。
このように考えると、海外旅行保険は「何が起きても安心な万全な備え」というより、「想定外の出費を抑えるための保険」という役割がメインになります。だからこそ、費用や手間の負担をできる限り軽くしつつ、必要な補償だけはしっかり押さえるというバランス感覚が大切になってきます。
台湾旅行におすすめの保険
そのような背景を踏まえると、台湾旅行においては、必ずしも高額な海外旅行保険に加入する必要はありません。台湾はアジアの中でも特に治安が安定しており、医療制度やインフラも整っているため、旅行者が深刻なトラブルに巻き込まれる可能性が比較的低いとされているからです。
ですから「台湾旅行における保険は、最低限の補償があれば十分」というのが現実的な判断となります。もちろん、重篤な持病がある方や長期滞在者、また高齢の旅行者などは話が別ですが、一般的な観光旅行であれば、何十万円もの補償が付いた大型の保険に加入する必要性は高くないといえるでしょう。
そこで注目されるのが、クレジットカードに自動または利用付帯されている海外旅行保険です。実際、多くのカード会社が年会費付きのカードに対し、一定の海外旅行保険を自動で組み込んでおり、わざわざ保険会社に個別で申し込まなくても、ある程度の補償を得ることができます。
例えば、治療費用が100～300万円程度、携行品損害が30万円、賠償責任が1,000万円前後といった保険内容が含まれていることが多く、台湾旅行の一般的なリスクには十分対応できる水準です。さらに、カードによってはキャッシュレス診療や24時間日本語サポートが提供されるため、いざというときにも安心です。
そもそもクレジットカードは、マイルやポイントが効率的に貯まるなど、メインとなる目的があって加入するのが現代の常識。そこに付随するメリットとして、最低限の保険があればいいということなんです。
私個人としては、日常の買い物をなるべく一枚のカードに集約させるだけで海外旅行に何度も行けるくらいのマイルが貯まる点を重視しつつ、ついでに保険が最低限ついているカードを選ぶべきだと考えています。そんな最適解についてはこちらの記事（海外旅行は「保険付きマイル系クレカ」で“タダ”で行く時代ですよ マイル目的で最強のカードとは一体どれなのか）に詳述しています。
ということで、台湾旅行に行く際のおすすめの保険について、現実的な解決策をご提示しました。皆様の参考になれば幸いです。