台湾と日本の税金・税率を比較してみた

今回は、日本と比較した台湾の税金・税率について検証していきます。移住や台湾での事業をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

日本の税金・税率の概要

まずは比較対象として、日本の税金から整理しておきましょう。

日本の税金で代表的なものは、ご存知の通り「所得税」「住民税」「消費税」「相続税」などが挙げられます。

所得税は個人の収入に対して課される税金で、所得が高くなるほど税率が上がる累進課税制度を採用しています。税率は最低5%から最高45%まで段階的に引き上げられます。高所得者ほど税率が高くなるため、年収が多い人ほど負担が大きくなります。

住民税は全国一律で約10%で、所得に応じて都道府県と市区町村に納めます。この税金は、地域のインフラ整備や住民サービスの提供に使われます。所得税と同様に住民税も個人の収入に大きく影響するため、負担感を感じる人も多いでしょう。

消費税は、2024年現在、日本では標準税率10%、軽減税率8%が適用されています。軽減税率の対象となるのは、食品や飲料、新聞などの一部の商品だけです。相続税は、財産を相続する際に課される税金で、税率は10%から最大55%と高めに設定されています。多くの財産を持つ方ほど相続税の負担が大きくなります。

このように、日本の税制は多様な税目があり、税率も比較的高めです。その一方で、税収は社会保障、医療、教育、インフラなどのサービスに使われているため、税金を通じて高品質な公共サービスを受けることができるとされています。

日本と比較した台湾の税金・税率

台湾の税制は、日本に比べてシンプルで税率も低いのが特徴です。

まず、所得税は5%から最大40%の累進課税制度で、日本よりも最大税率が低く設定されています。また、所得控除の対象も広く、扶養家族がいる場合はさらに控除額が大きくなります。そのため、多くの人にとって実際の所得税負担が軽減される仕組みになっています。

台湾では、日本の消費税に相当する「営業税」が存在しますが、税率は5%と日本の半分です。さらに、商品やサービスにかかる税率は一律で、軽減税率や複雑な計算がないため、理解しやすいのが特徴です。このシンプルな税制は、個人や企業にとってもわかりやすく、負担を抑えることができます。

法人税についても台湾の方が低く、企業の利益に対して17%の税率が適用されます。12万台湾元(約48万円)以下の利益は免税対象となるため、中小企業にとっては非常に有利です。加えて、日本で一般的な「住民税」は台湾にはありません。これにより、所得に対する税負担は日本よりも軽減される傾向があります。

相続税と贈与税も台湾の方が低く、税率は10%から20%となっており、日本の最大55%に比べて大幅に低いです。このため、台湾では資産の移転がしやすく、相続や贈与に関しても負担が少なくなっています。

住みやすい、事業をしやすいのは…

住みやすさや事業のしやすさを考えると、日本と台湾にはそれぞれ異なる魅力があります。まず、日本は医療や年金、失業保険などの社会保障制度が充実しており、安心して暮らせる環境が整っています。また、インフラや教育などの公共サービスも高水準で提供されているため、家族での生活や長期的な定住を考えている方には適しているでしょう。ただし、その分、税負担が大きく、所得税や住民税、消費税などの支出が多くなる傾向があります。

一方、台湾は税金が低く、生活コストも日本より安いことから、個人の手取りが多くなりやすいです。そのため、節約しながら生活を楽しむことが可能です。さらに、法人税が低く、住民税も存在しないため、事業を始める際の負担も少なく、スタートアップ企業や小規模な事業者にとっては魅力的な環境です。特に、ビジネスをコスト効率よく展開したい場合、台湾の税制は非常に有利と言えます。

しかし、台湾は日本ほど社会保障が充実していないため、医療や老後の生活費などは自己負担が必要になる場合があります。長期的な安定や公的サービスの手厚さを求める方にとっては、日本の方が安心して生活できるでしょう。

結論として、税負担を抑えて手取りを増やしたい方や、事業を効率的に展開したい方にとっては台湾が魅力的です。一方、社会保障や公共サービスの充実を重視する方には日本が適していると言えます。あなたのライフスタイルや目的に応じて、どちらが良いかを判断することが重要でしょう。

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