留学経験(短期含む)は就活で意味がないのか!?

留学や短期留学を考えている人、あるいは就活を意識し始めた人の中には、「留学経験は就活で使えるのか」「留学は就活においては意味がないのか」などと気になっている向きも少なくないことでしょう。

そこで今回は、「留学経験」というものが就活にもたらすメリットについて、長期留学と短期留学に分けてお伝えしていきたいと思います。

目次

就活と留学の本質 ~留学経験は意味がないのか~

まず前提として、近年は“留学経験そのもの”が評価される時代ではないといえるでしょう。

かつては「留学=優秀」と見なされる傾向がありましたが、グローバル化が進み、留学経験者が増えたことで、その価値は相対的に薄れてきました。そのため、「留学したことがある」という事実だけでは、採用担当者に強い印象を与えることは難しくなっています。逆に「明確な目的を持たずに留学した感」が相手に強く映ってしまうと、「遊んでいただけなんじゃないか」などと逆効果になる可能性も否定できません。

一方で、留学が就活にまったく意味を持たないかと言えば、決してそんなことはありません。むしろ、留学経験は自己PRや面接でのエピソードとして活用しやすく、強みとなる可能性があります。留学中には、語学だけでなく、新しい環境での挑戦、困難を乗り越える経験など、多くの学びがあるものです。これらを具体的に語ることは、面接官の興味を引きやすい上、説得力のある自己PRにつなげやすいわけです。そもそも、他の応募者がありきたりなエピソードしか語れない中で、個性のある話ができるというだけで大きなメリットといえます。

また、語学力が実用レベルに達している場合、評価のされ方は大きく変わります。単なる「留学経験者」ではなく、「実際に英語やその他の言語を使いこなせる人材」として認識されれば、企業にとって貴重な戦力になり得ます。特に、外資系企業や海外展開を進めている企業では、高い語学力を持つ人材が求められるため、留学経験が有利に働くことは十分に考えられます。

結局のところ、留学の“就活における価値”は「何を学び、どう成長したか」、そしてそれを「どう伝えるか」にかかっています。単に「行ったという事実だけ」で評価されることはないにしても、そこで得た経験を豊かに伝えられれば、十分に就活の武器となるでしょう。ですから「留学は就活に意味がない」と断言するのは誤りであり、どのように経験を活かすかが重要だと言えます。

短期留学では意味がないのか 就活への活用方法を考える

短期留学においても、本質は長期留学と同じ。期間が短いからといって意味がないなんてことはまったくもってありません。

ただし、やはり滞在期間が限られている分、得られる語学力の向上度合いや、経験の幅には違いが生じます。そのため、短期留学を「就活の武器」として活かしたいと考えている場合は、目的意識を明確に持ち、限られた時間の中でできるだけ多くの経験を積むことが重要になるといえます(それが良いかどうかは別として)。

短期留学のメリットと制約

短期留学の最大のメリットは、比較的気軽に海外経験を積める点にあります。学業やアルバイト、インターンシップと並行して計画しやすく、金銭的な負担も長期留学と比べると軽減されるため、挑戦しやすい選択肢といえます。外国の生活に溶け込むというのはふつうに日本で過ごしていては詰めない経験ですから、これが比較的小さい負担でいけるというのは、大きな魅力といえるでしょう。短期間であっても、日本では得られない刺激を受け、新たな価値観を得ることができるでしょう。

しかし、その一方で、期間が短いために得られる語学力の向上度合いは限定的です。長期留学でもその国の言葉がペラペラになって帰ってくる人なんて一部ですから、そう甘い世界ではないことはあらかじめ認識しておくべきでしょう。

また、期間が短ければこそ、長期留学に比べるとそこで経験できることも少なくなりますし、就活で好まれる「困難を乗り越えた」系のエピソードはつくりづらくなってきます。就活においては、留学の経験そのものではなく、そこで得た成長や学びをどのように語れるかが重要になるため、就活で活かすことを前提とするならば、使えそうなエピソードをあらかじめ想定しておくのが有効ではないかと思われます。

就活を意識した短期留学の活用方法

繰り返しますが、本来、留学は就活とは関係なしに行くもので、「就活目当ての短期留学」をオススメするつもりはありません。

とはいえ、誰もがより希望にかなう企業に就職をしたいと思う中、現実を考えると、特段の強みをもたない“ふつうの大学生”が、留学によって強力なエピソードを得てくるというのは、決して間違った戦い方ではないと思うのです。

ですからたとえば、現地での語学研修に加えて、インターンシップやボランティア活動に参加する、異文化交流の場に積極的に関わるなど、単なる語学留学にとどまらない経験を意識的に取り入れるとよいでしょう。ただ学校と自宅を往復するだけでは、あっという間に滞在期間は終わってしまいますから。

また、短期間であっても、自分なりの目標を持ち、それを達成する努力をすることで、自己成長につながる経験を得ることができます。例えば、「現地の人と毎日5人以上会話する」「英語でプレゼンテーションをする」「異文化に溶け込む工夫をする」といった具体的な目標を立てて実行することで、短期間でも充実した経験を積むことが可能ですし、何よりそういう話は就活で使いやすいわけです。

そう考えると、短期留学とは、人生を好転させる“コスパの良い”選択肢といえるのではないでしょうか。

結論

留学をすれば就活で無双できる、という考え方は誤りです。留学経験はあくまでも一つの「武器」として捉え、それをどのように活用するかが重要になります。

とはいえその武器は強力で、かつ使い方によっては無限に可能性が広がりうるものでもあります。

そして何より、留学の本来の価値は就活にあるわけではありません。当然ながら、長い人生の中で、国内にいては決してできない貴重な経験ができることにこそ意味があるのです。

その行動を起こすきっかけが「就活」であったとしても、それによって得られる人生の財産は決して少なくないでしょう。ですから迷うくらいであれば、短期でも長期でも、留学に行くことをおすすめします。「後で考えてみよう」とぐずぐずしていると、あっという間に学生生活は終わり、気を逃してしまいます。後悔する可能性がありそうなら、とりあえずは留学する手段を調べてみるなど、ぜひ行動を起こしてみてください。

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