国土がそれほど大きくない台湾だからこそ、「せっかく行くなら一周したい!」という方は少なくないでしょう。電車でまわるのはもちろん、最近では自転車で一周する観光客も増えてきています。
今回は実際に台湾を一周するにはどれくらいの距離があるのか、そして自転車や電車で回る際のモデルコースについて、お伝えしていきます。
台湾一周の距離と主要スポット

台湾は周囲を海に囲まれた島であり、一周する距離はおおよそ1,000~1,200km程度です。
ルートの選択や寄り道の有無によって総距離は変動しますが、基本的には台湾本島をぐるりと巡る環状線に沿って移動することになります。この距離は、自転車で走る場合は約7~14日、電車を利用する場合は数日で一周することが可能です。
台湾一周の旅では、多くの観光スポットや地域ごとの特色を楽しむことができます。例えば、台北は台湾の首都であり、歴史的な建築や最新のショッピングエリアが共存する都市です。観光名所としては、「台北101」や「故宮博物院」が有名で、多くの旅行者が訪れます。一方で、台中には美しい湖で知られる「日月潭」や、カラフルな街並みが印象的な「彩虹村」などがあり、自然とアートが融合したスポットが魅力です。
南部に位置する高雄は、港町として発展してきた都市であり、「蓮池潭」や「美麗島駅」など、インパクトのある観光スポットが点在しています。そして東部の花蓮には「太魯閣峡谷」があり、壮大な自然の景観を楽しめるエリアとして人気です。台湾の東海岸は山と海に挟まれた美しい景色が広がっており、特にサイクリングや鉄道の旅ではその風景を存分に堪能することができます。
台湾一周「自転車の旅」のモデルコースとは

近年、台湾を自転車で一周する旅が注目を集めています。台湾政府も「環島(ホァンダオ)」と呼ばれるこの旅を推奨していて、サイクリスト向けのインフラ整備が進んでいます。特に、環島専用の自転車道や、サポートステーションが整備されていることが、挑戦者の増加につながっています。
台湾を自転車で一周する場合、一般的には時計回りか反時計回りのどちらかのルートを選ぶことになります。どちらを選ぶかによって体験できる景色や風の影響が異なってきます。例えば、時計回りのルートは台北から西海岸を南下し、東海岸を北上するコースで、比較的平坦な道が多く、初心者向けとされています。一方、反時計回りの場合は東海岸の山岳地帯を先に進むことになり、上級者向けのルートと言えるでしょう。
モデルコースの例として、10日間で台湾一周をするプランを考えてみます。初日は台北から出発し、新竹や台中を経由しながら南下します。2日目以降は嘉義や高雄を通過し、4~5日目には台湾最南端の墾丁へ到達します。その後、東海岸を北上し、花蓮や宜蘭を巡りながら、最終的に台北に戻るという流れが一般的です。途中、各都市でご当地グルメを楽しんだり、温泉地で疲れを癒やしたりすることも可能です。
ただし、台湾一周の自転車旅にはいくつかの注意点もあります。特に、東海岸はアップダウンが激しく、強風が吹くこともあるため、十分な体力と事前の準備が必要です。また、台湾は天候が変わりやすいため、雨具や防寒具の用意も欠かせません。さらに、万が一のトラブルに備えて、自転車の修理道具を持ち歩くことも推奨されます。
ということで、台湾を自転車で一周するのは挑戦しがいのある旅ですが、適切な計画と準備をすれば、誰でも達成することが可能です。台湾の多彩な風景を自らの足で感じながら巡るこの旅は、忘れられない経験となるでしょう。
台湾一周「電車の旅」のモデルコースとは

上記のように自転車で台湾を一周するのは魅力的ですが、誰にでもできることはないでしょう。そのような場合、電車を利用して台湾一周の旅を楽しむことも一つの選択肢です。台湾には環状鉄道が整備されており、主要都市を結ぶ鉄道ネットワークを活用することで、快適かつ効率的に台湾を巡ることができます。
台湾鉄道(TRA)を利用すれば、台湾本島を一周することが可能です。モデルコースの例として、3日間で台湾をまわるプランを考えてみましょう。
初日は台北からスタートし、西海岸を南下して高雄へ向かいます。途中、台中で下車し、日月潭観光や夜市巡りを楽しむことができます。その後、高雄では「六合夜市」で台湾グルメを味わい、港町の雰囲気を満喫します。
2日目は、高雄から東海岸に向かい、花蓮へと移動します。途中、台東に立ち寄り、原住民文化を体験するのもおすすめです。花蓮に到着したら、「太魯閣峡谷」を訪れ、台湾随一の大自然を堪能するのが定番の観光ルートです。壮大な渓谷美を楽しんだ後は、夜市で地元の料理を味わうのも良いでしょう。
3日目は花蓮から宜蘭を経由し、再び台北へ戻ります。宜蘭では「礁溪温泉」に立ち寄り、旅の疲れを癒やすのもおすすめです。台北に戻ったら、「士林夜市」や「龍山寺」など、再び都市観光を楽しむことで、台湾一周の旅を締めくくることができます。
なお、人気の観光列車は事前に予約が必要なことが多いため、計画的にスケジュールを立てることが重要です。また、荷物が多い場合はコインロッカーを活用するなど、快適に移動できる工夫をするのが良いでしょう。
国土がそれほど大きくない国だからこそ、全体をまわってみたくなりますね。皆様の参考になれば幸いです。