台湾旅行を控えているとき、意外に気になるのがトイレの問題。「紙は流せるの?」「どこで借りられるの?」といった疑問を抱く方も多いでしょう。
台湾の中でも台北は近年、急速にインフラが整備され、トイレ事情も大きく改善されています。とはいえ、場所によってはまだ日本とは異なるルールが存在するのも事実。
この記事では、台北のトイレ事情について、場所別の特徴から実際の利用方法まで、詳しく解説していきます。
台北のトイレ基本情報
紙を流せるかの判断方法

台北のトイレで最も気になるのが、トイレットペーパーを流せるかどうかという点でしょう。
実は2017年以降、台北市内の多くの公衆トイレでは紙を流せるようになりました。ただし、すべての場所で統一されているわけではないため、個室内の表示を確認することが重要です。
紙を流せるトイレには、「衛生紙可沖入馬桶」(トイレットペーパーは便器に流せます)といった中国語表示や、トイレットペーパーのイラストと「○」マークが組み合わさったステッカーが貼られています。
逆に「請勿丟棄衛生紙於馬桶內」(トイレットペーパーを便器に捨てないでください)という表示がある場合は、ゴミ箱に捨てるのがルール。
判断に迷った場合は、トイレ内にあるゴミ箱のサイズを見るのも手です。大きなゴミ箱が設置されていれば、紙を捨てることを前提としている可能性が高いといえます。
トイレットペーパーの設置状況
台北のトイレで注意したいのが、ペーパーの設置方法です。
個室内に備え付けられていることが多いものの、古い施設では入口付近に共用のペーパーホルダーが設置されている場合があります。この場合、事前に必要分を取ってから個室に入る必要があります。
また、一部の公衆トイレや観光地では、ペーパーが設置されていないこともあるため、ポケットティッシュの携帯は必須です。
台湾のトイレットペーパーは、日本のようなロール式ではなく、ティッシュ型が主流。見た目がティッシュペーパーに似ているため、「本当に流していいの?」と迷うかもしれませんが、トイレ用として設置されているものは水溶性なので安心してください。
和式と洋式の割合について
台北の公共施設では、和式トイレの割合が比較的高いのが特徴です。
MRTの駅や公園などでは、和式と洋式が半々程度の割合で設置されていることが多く、日本と比べると和式の選択肢が豊富。これは衛生面を重視する利用者が多いためといわれています。
ホテルや新しい商業施設では洋式が主流ですが、便座に足跡がついていることもたまにあります。これは一部の利用者が便座に立って用を足すためで、台湾ではそれほど珍しいことではありません。
こうした状況を避けたい場合は、便座をトイレットペーパーで拭くか、除菌シートを持参するしかないですね…。
台北市内でトイレが使える場所
MRT駅のトイレが最も安全

台北でトイレに困ったとき、最も確実な選択肢がMRT駅です。
各駅には必ずトイレが設置されており、定期的な清掃が行われているため清潔度も高め。多くの駅でトイレットペーパーを流すことができ、備え付けのペーパーもしっかり用意されています。
改札内外どちらにもトイレがある駅が多く、電車に乗らない場合でも利用可能。改札内のトイレを利用したい場合は駅員さんに声をかけると無料で案内してくれることも多いです。
混雑時には行列ができることもありますが、複数の個室があるため、それほど長時間待つことはありません。台北観光中にトイレを探すなら、まずMRT駅を目指すのが正解ですね。
デパートとショッピングモール
デパートやショッピングモールのトイレは、清潔度と設備の充実度が高いのがメリットです。
ほとんどの施設でトイレットペーパーを流すことができ、温水洗浄便座を設置している店舗も増加中。特に日系デパートや新しい商業施設では、日本とほぼ同等の設備が整っています。
ただし、1階にはトイレがない場合が多いため、2階以上のフロアを利用することになります。フードコートがあるフロアは混雑しがちなので、他の階を選ぶのがおすすめ。
一部のデパートでは便座シートを提供しているところもあり、衛生面が気になる方には特に便利です。
夜市や観光地での注意点

夜市や九份などの観光地では、トイレの数が限られているのが現状です。
利用者が多い割にトイレの数が少ないため、混雑は避けられません。また、建物が古い場合はトイレットペーパーを流せないことが多く、ゴミ箱への廃棄が基本となります。
清潔度についても、正直なところ他の場所と比べて劣ることが多いです。可能であれば、夜市に向かう前にMRT駅やホテルで済ませておくのが安心。
現地で利用する場合は、ポケットティッシュとウェットティッシュを携帯した方がよさそうです。
コンビニではほぼ借りられない
日本と大きく異なるのが、コンビニでのトイレ利用です。
台北市内のコンビニでは、ほとんどの店舗でトイレを一般開放していません。看板にトイレマークがあっても、実際には利用できないケースが大半。
店舗によっては商品棚でトイレの入口をふさいでいることもあり、基本的には「コンビニ=トイレなし」と考えておくのが現実的です。
まれにトイレを借りられる店舗もありますが、それに頼らず他の選択肢を探すほうが確実といえるでしょう。
ホテルのトイレ選び方
ホテル選びの際、トイレ仕様を事前確認しておくと安心です。
日系ホテルや高級ホテルであれば、ほぼ確実にトイレットペーパーを流すことができます。温水洗浄便座や便座暖房も完備されており、日本と同じ感覚で利用可能。
一方、古いホテルや格安宿では、トイレットペーパーをゴミ箱に捨てるシステムを採用している場合があります。予約前に口コミをチェックするか、ホテルに直接問い合わせるのがおすすめ。
特に長期滞在の場合は、トイレの使い勝手が旅行の快適度に大きく影響するため、多少料金が高くても設備の整ったホテルを選ぶ価値があります。
知っておきたいこと
清潔なトイレの見分け方
より快適にトイレを利用するため、清潔な施設の見分け方を覚えておくとよいでしょう。
エアコンが効いている建物のトイレは、定期的な清掃が行われている可能性が高いです。百貨店、駅、新しいショッピングモールなどがその代表例。
逆に、屋外の公衆トイレや古い建物では清潔度が劣ることが多いため、緊急時以外は避けるのが無難です。
トイレ入口の清潔度も判断材料の一つ。入口がきれいに保たれているトイレは、内部も清潔である可能性が高いといえます。
緊急時の対処法
もしもの時に備え、緊急時の対処法も知っておくと安心です。
台北市では「台北好所在」という公衆トイレ検索アプリが提供されており、現在地周辺のトイレを地図で確認できます。アプリをダウンロードしておけば、いざという時に役立つでしょう。
また、大きな公園には必ずトイレが設置されているため、公園を目印にするのも有効な方法。中正紀念堂や大安森林公園など、観光地としても有名な公園であれば、比較的清潔なトイレが利用できます。
ホテルのロビーも選択肢の一つ。宿泊客でなくても、お願いすれば利用を許可してくれることが多いです。
台北のトイレ事情は年々改善されており、以前ほど心配する必要はありません。とはいえ、基本的な準備と知識があれば、より安心して台湾旅行を楽しめるはずです!