「学生時代に留学しておけばよかった」と後悔している社会人は多いのではないでしょうか。しかし実際のところ、大人になってからでも留学は十分可能です。
ただし、学生時代の留学とは異なり、社会人留学には独特の課題や制約があることも事実。そこで今回は、大人留学の現実を踏まえた上で、社会人が留学を成功させるための具体的な方法をお伝えします。
大人留学の現実
30~50代留学生の実情

留学といえば10代や20代の学生がするものというイメージが強いかもしれません。しかし現実には、30~50代で留学に挑戦する社会人は決して珍しくありません。
社会人留学生の割合は全体の約半数を占めているともいわれます。大人になってから留学する人は想像以上に多いということです。
特にコロナ禍以降、働き方が多様化したことで、リモートワークを活用した留学や転職のタイミングを狙った留学が増加傾向にあります。
年齢による制約と可能性
大人留学には年齢ならではの制約があります。最も大きいのがワーキングホリデーの年齢制限でしょう。多くの国で30歳までという上限が設けられているため、31歳以上の方は他の留学方法を検討する必要があります。
留学方法 | 年齢制限 | 特徴 |
---|---|---|
ワーキングホリデー | 18-30歳 | 働きながら学習可能 |
語学留学 | 制限なし | 短期から長期まで柔軟 |
大学・大学院留学 | 制限なし | 学位取得が目的 |
一方で、年齢を重ねた上で留学に行くことのメリットも存在します。経済的な余裕や人生経験、明確な目的意識は、若い留学生にはない大きなアドバンテージといえるでしょう。
学生留学との違いとは
社会人留学と学生留学には、根本的な違いがあります。
学生留学の特徴:
- 時間に余裕がある
- 語学力向上や異文化体験が主目的
- 就職活動でのアピール材料に
- 家族の経済的支援も?
社会人留学の特徴:
- 限られた時間での集中学習
- キャリアアップや転職が主目的
- 即戦力となるスキル習得重視
- 自己資金での留学
あくまでも一般的な違いであるのでご参考程度に。
失敗する人の共通点

社会人で留学をしても「失敗に終わった」と感じる最も多い失敗パターンは「目的の曖昧さ」です。「なんとなく英語を上達させたい」「海外生活を経験してみたい」といった漠然とした理由では、帰国後に「何のために留学したのかわからない」という状況に陥ってしまうことがあるわけです。
また、事前準備不足も大きな要因となります。基礎的な英語力がないまま現地に行っても、授業についていけずに時間を無駄にしてしまうケースが後を絶ちません。
もちろん、大した目的もなく「とりあえず1年行ってみた」という社会人留学にも大きな価値があります。重要なのは目的と、それに見合う内容になるかという話であって、最初から大きな目的をもたない留学だって、あっても良いはずです。
社会人留学の壁
退職・休職ができるか
社会人留学最大の障壁が、仕事を辞めたり休んだりすることでしょう。
長期留学の場合、退職を余儀なくされる人もいます。これは単に収入がなくなるということだけでなく、キャリアの中断を意味します。同期や後輩が昇進していく中で、自分だけが空白期間に……という不安は人によっては発生するかもしれません。
休職というのも一つの手でしょうか。最近はそのハードルが下がってきていますし、退職よりはキャリアへの影響は小さいといえるでしょう。
あるいは、それほど長期間でなければ、職場によっては割と柔軟に対応してくれるところも増えてきています。
職場の状況や帰国後のことなどを総合的に考えて、期間を考えることが重要だと思われます。
費用負担の重さ

何かと補助がききやすい学生時代と違い、社会人は留学費用をすべて自己負担する必要があります。
1年間の留学にかかる費用目安:
- アメリカ:300-500万円
- カナダ:250-400万円
- オーストラリア:280-450万円
- フィリピン:100-200万円
これらの費用に加えて、無収入期間の生活費も確保しなければなりません。
家庭との両立問題
既婚者にとって家庭との両立はなかなかの課題となります。
配偶者の理解を得ることはもちろん、子どもがいる場合は教育への影響も考慮しなければなりません。単身留学するか、家族同伴で行くかによって費用も大きく変わってきます。
こればっかりは各家庭によって状況が異なるので何ともいえないところですが、留学エージェントなどのプロに、まずは懸念点をざっくばらんに相談してみると、現実的な突破口が見えてくるかもしれません。
英語、もう忘れてない?

多くの社会人が過小評価しているのが、留学に必要な基礎英語力です。
「現地に行けば話せるようになる」と考えがちですが、中学レベルの文法も曖昧な状態では、授業についていくことすら困難になります。特に1年程度の留学では、基礎から学び直している時間的余裕はありません。
何かと英語学習の機会があった学生生活とは違い、大人になると英語からすっかり離れてしまっている人も少なくないです。せっかく留学に行くのなら、最低限の基礎的な復習は済ませておきたいところです。
成功への道筋
短期留学という選択肢
社会人にとって最も現実的なのが短期留学という選択肢です。
有給休暇や転職の合間を利用した1-4週間程度の留学なら、キャリアを中断することなく海外経験を積むことができます。短期間だからこそ集中して学習に取り組むことができ、費用負担も軽減されます。
短期留学の主なメリット:
- 仕事を辞める必要がない
- 費用を大幅に抑えられる
- 家族への影響を最小限にできる
- 長期留学前の下見として活用可能
目的を明確にする重要性

成功する社会人留学に欠かせないのが、明確な目的設定です。
「TOEIC800点を取得する」「ビジネス英語でプレゼンできるようになる」「海外営業部門への転職を実現する」といった具体的な目標を設定することで、留学の方向性が定まります。
目的が明確になれば、必要な期間や予算、最適な留学先も自然と決まってきます。
逆に、成果としての明確な目的がない方でも、どんな経験をしたいのか等、ある程度具体的なプランは考えておきたいところです。
最適な留学環境を整える
社会人留学の成功率を高める効果的な方法が、留学エージェントなどのプロに相談することです。
留学エージェントの最大のメリットは、自分に最も合った学習環境を整えてくれることです。限られた時間の中で最大の成果を得るために、プロの知見を活用することは、社会人だからこそ理にかなった選択肢といえるでしょう。
エージェント利用のメリット:
- 個人の目的に最適化された学校選び
- 複雑な手続きの代行
- 現地でのトラブル対応
- 帰国後のキャリアサポート
特に社会人の場合、平日は仕事で忙しく、個人ですべての準備を進めるのは現実的ではありません。プロに任せられる部分は任せて、自分は語学学習に集中するという考え方もアリではないでしょうか。
年齢層や、授業のプログラム、滞在先の環境など、細かな条件が留学の成否に大きく影響します。ネットで調べるだけではなかなか生の情報は得られませんが、経験豊富なエージェントなら過去の実績をもとに最適な提案をしてくれます。
様々な壁を乗り越えての社会人留学ですから、失敗はなんとしても避けたいところ。そういう意味で、まずはエージェントの無料相談を活用してみることは、社会人留学の現実的な第一歩といえるかもしれません。