台湾の地下鉄(MRT)では、日本人が驚くほどに飲食が厳しく制限されています。今回は、その理由と、「どこまで許されるか」ということについて、お伝えしていきます。
台湾の地下鉄(MRT)で飲食禁止の理由
台湾の地下鉄(MRT)では、駅構内や車内での飲食が禁止されています。衛生環境の維持と安全性の確保が主な目的です。台湾のMRTは他国と比較して非常に清潔である点が評価されています。その環境を維持するために飲食禁止のルールが徹底されているのです。
また、もう一つの理由として、安全性の確保が挙げられます。MRTのシステムには自動化された設備が多く、食べ物のカスや飲み物が機械の中に入り込むことで、システムの故障や不具合が起こる可能性があります。特に、食べ物のカスはネズミやゴキブリなどの害虫を引き寄せる原因となり、それらがシステムの動作に支障をきたすリスクが高まるのです。これらの問題を未然に防ぐため、飲食禁止のルールが厳しく設定されているわけです。
このように、台湾のMRTでの飲食禁止は、衛生と安全を守るために設けられたルールです。日本の地下鉄では飲食が禁止されていない場合もありますが、台湾では特に清潔な環境を維持するために、この規則が徹底されています。
厳しい飲食制限…どこまで許される?
台湾のMRTでは、ガムや飴といった小さなものでも飲食が禁止されています。これは、口に入れる行為そのものが「飲食」と見なされるためです。
実際に、駅構内や車内でガムを噛んでいると駅員や警察から注意されることがあり、最悪の場合、罰金を科せられることもあります。罰金の額は1,500台湾ドル(約7,000円)から7,500台湾ドル(約35,000円)と高額であり、たった一度の行為でも厳しく処罰される可能性があるので、注意が必要です。
ちなみに私自身、無意識にホームでガムを噛んでいて、乗客の方に注意されたことがあります。
では、どこまでが許されるのか。
基本的に改札を通過した瞬間から飲食は禁止です。駅の改札口には黄色いラインが引かれており、そのラインを越えた場所から飲食制限が始まります。つまり、駅構内に入る前に水分補給を済ませるか、ガムや飴を口から出しておく必要があります。
日本では電車内での飲み物や軽食が許されることが多いため、つい癖で飲食をしてしまいがちですが、台湾MRTでは特に注意してください。
一方で、地下鉄以外の鉄道である「台鉄(台湾鉄道)」や「高鉄(新幹線)」では飲食が許されています。特に、台鉄では駅弁が販売されているほどで、電車の中で食事を楽しむことができるのです。そのため、台湾旅行中に長距離移動をする際には、これらの交通手段を使えば飲食が問題なく行えます。