フィリピン留学をおすすめしない人の声…知られざるメリット・デメリットとは

フィリピン留学といえば、格安でマンツーマンレッスンが受けられるということで近年人気が急上昇している留学先です。

実際に行った人からは「思っていたのと違った」「おすすめしない」といった声も少なくないようですが、欧米留学にはない独特のメリットがあるのも事実。今回は、そんなフィリピン留学の本当のところを検証していきます。

留学を検討中の方は、良い面も悪い面もしっかり把握した上で、自分に合った選択肢を見つけていただければと思います。

目次

実際の声から見る現実

おすすめしない派の本音

フィリピン・マニラの街並み

フィリピン留学を経験した人の中には、「正直おすすめできない」と感じている方も一定数います。その理由として最も多く挙げられるのが、生活環境の不便さです。

「水道水が飲めないのは想定していたけど、歯磨きでさえミネラルウォーターを使わないとお腹を壊すとは思わなかった」「シャワーの水圧が弱すぎた」といった声などはしばしば聞かれます。

また、治安面での不安を感じた留学生も多いようです。「常に貴重品を気にしていないといけないストレスがある」「夜間の外出がなかなかできないのは痛い」という体験談もあります。

さらに、英語学習面でも期待と現実のギャップを感じるケースがあります。「フィリピン人講師の英語は確かに上手だけど、ネイティブとは違う独特の訛りがある」「日本人に慣れた講師だと、間違った発音でも理解してくれてしまい、実力が正確に測れない」といった指摘も少なくないようです。

後悔した留学生の体験談

マニラ大聖堂

実際にフィリピン留学を経験して後悔したという声も聞かれます。特に多いのが、日本人留学生の割合の高さに関する不満です。

語学学校によっては日本人が8割以上を占めることもあり、「せっかく海外に来たのに、結局日本語で会話することが多かった」「多様な国籍の友達を作りたかったのに、韓国人と日本人ばかりだった」という声が上がっています。

また、学習環境の質にばらつきがあることも問題として挙げられます。「格安校を選んだら、講師の質が低く、授業中にスマホをいじっている先生もいた」「施設が古すぎて、エアコンが効かない教室で汗だくになりながら授業を受けた」といった体験談もありました。

リゾート地での誘惑も意外な落とし穴になっているようです。「セブ島の美しいビーチや夜遊びスポットに気を取られて、勉強に集中できなかった」「毎週末アイランドホッピングに出かけていたら、肝心の英語力がほとんど向上しなかった」という反省の声も聞かれます。

想定外だった生活環境

一部先にも述べましたが、フィリピンの生活環境について、事前の想像と現実のギャップに戸惑う留学生が多いのも事実です。インフラの不安定さは特に日本人には慣れない要素でしょう。

停電が頻繁に起こることや、インターネット回線が不安定でオンライン授業に支障が出ることもあります。また、交通渋滞が深刻で、「10分の距離に1時間かかった」「約束の時間に間に合わないことが日常茶飯事」といった状況に直面することも珍しくありません。

気候面でも想定外の問題があります。「常夏だと思っていたら、雨季は湿度が90%を超えて体調を崩した」「エアコンの効きすぎた室内と外気温の差で風邪を引きやすくなった」という声もありました。

食事についても好みが分かれるところです。語学学校の食事は日本人向けにアレンジされていることが多いものの、「毎日同じような味付けで飽きてしまった」「辛い料理が苦手だったので、外食の選択肢が限られた」といった声も聞かれます。

隠れたメリットの真実

欧米留学にない強み

一方で、フィリピン留学には欧米留学では得られない独特の強みがあることも確かです。最大の特徴は、なんといってもマンツーマンレッスンの充実度でしょう。

欧米の語学学校では、マンツーマンレッスンを受けようとすると1時間あたり5,000円以上かかることも珍しくありません。しかしフィリピンでは、1日6〜8時間のマンツーマン授業を格安で受けることができます。

項目フィリピン留学欧米留学
マンツーマン授業1日6-8コマ週1-2コマ程度
グループ授業1日2-4コマメイン
総授業時間週40-50時間週15-20時間

この圧倒的な授業時間の違いは、短期間での英語力向上に大きな効果をもたらします。特にスピーキング力については、3ヶ月のフィリピン留学で欧米6ヶ月分の効果が得られるとも言われています。

また、フィリピン人講師のホスピタリティの高さも大きな魅力です。明るく親しみやすい国民性で、英語学習に対する不安を和らげてくれます。初心者でも気軽に質問できる雰囲気があり、間違いを恐れずに発言できる環境が整っています。

短期集中の学習効果

フィリピン留学の真の価値は、短期間での集中学習にあります。平日は朝から夕方まで授業が詰まっているため、必然的に英語漬けの生活になります。

この環境は、特に社会人の短期留学において威力を発揮します。1〜2週間という限られた休暇でも、1日10時間の授業を受ければ、合計で70〜140時間もの学習時間を確保できるのです。

さらに、寮生活によって24時間英語環境に身を置けることも大きなメリット。食事の時間も、移動時間も、すべてが英語学習の機会になります。ルームメイトが他国出身であれば、自然と英語でのコミュニケーションが必要になるというわけです。

試験対策についても、フィリピン留学は非常に効果的です。TOEIC、IELTS、TOEFLなど、各種試験に特化したコースが充実しており、短期間でのスコアアップを狙う学習者には最適な環境といえるでしょう。

費用対効果の実際

マニラにはビル街も

フィリピン留学の最大の魅力は、やはり圧倒的な費用対効果の高さにあります。欧米留学と比較すると、その差は歴然としています。

1ヶ月の留学費用を比較してみると、アメリカやイギリスでは学費と滞在費だけで40〜60万円程度かかるのに対し、フィリピンでは15〜25万円程度で済みます。これに航空券代を加えても、総費用は欧米の半分以下に抑えることができます。

しかも、フィリピン留学の費用には学費、寮費、食費がすべて含まれているケースがほとんど。現地での生活費もほとんどかからないため、予算管理がしやすいのも大きなメリットです。

また、2カ国留学の踏み台としてフィリピンを選ぶ学習者も増えています。まずフィリピンで基礎的な英語力を身につけてから欧米に渡ることで、現地での語学学校期間を短縮でき、結果的に総費用を抑えられるというわけです。

失敗しない選択基準

向いている人の特徴

フィリピン留学で成功する人には、いくつかの共通した特徴があります。まず、短期間で集中的に学習したいという明確な目標を持っている人です。

特に以下のような方には、フィリピン留学が非常におすすめできます:

  • 英語初心者〜中級者で、基礎的なスピーキング力を身につけたい人
  • 社会人で、限られた休暇を最大限活用したい人
  • 費用を抑えて留学したい学生や若手社会人
  • マンツーマン授業でじっくり学びたい人
  • 2カ国留学を検討している人

逆に、英語上級者でネイティブレベルの表現力を身につけたい人や、多国籍な環境での国際交流を重視する人には、欧米留学の方が適している場合もあります。

また、生活環境の不便さに対する耐性も重要な要素です。日本の便利さに慣れている人にとって、フィリピンの生活は確かにストレスを感じる場面もあるでしょう。しかし、それも含めて「海外経験」として前向きに捉えられる人の方が、留学を成功させやすい傾向にあります。

学校選びの重要ポイント

セブ島という選択肢も

フィリピン留学を成功させるためには、学校選びが最も重要なポイントになります。格安校から高級校まで幅広い選択肢がある中で、自分の目的に合った学校を見極めることが必要です。

まず確認すべきは講師の質です。大学卒業以上の学歴を持つ講師が在籍しているか、定期的な研修が行われているかなどをチェックしましょう。また、講師の離職率が低い学校の方が、安定した授業を受けられる傾向にあります。

国籍バランスも重要な要素です。日本人比率が高すぎる学校では、どうしても日本語環境になりがちです。韓国系の学校では日本人比率が30〜50%程度に抑えられていることが多いので、多国籍環境を求める場合は検討してみてください。

立地についても慎重に検討が必要です。セブ島はリゾート要素が強く観光も楽しめますが、勉強に集中したい人には誘惑が多すぎる場合もあります。一方、バギオのような山間部の都市は涼しく勉強に集中しやすい環境ですが、娯楽は限られています。

地域や学校、住居の環境など、最初の条件次第で「成功」か「失敗」か分かれがちなのがフィリピン留学といえます。そのあたりの知見を留学エージェントのプロに求めるのも一つの手でしょう。昨今は手数料がかなり安く済むところもありますし、何より最初に相談するだけならタダですからね。

留学前の準備事項

フィリピン留学を成功させるためには、事前準備が非常に重要です。まず、基礎的な英語力を身につけておくことをおすすめします。

中学レベルの文法と単語をある程度理解していないと、せっかくのマンツーマン授業も効果的に活用できません。特に基本的な日常会話は練習しておくべきでしょう。現地での生活がスムーズになり、授業により集中できるようになります。

持参すべき物についても、事前にしっかり確認しておきましょう。常備薬は必須ですし、日本の食品(ふりかけ、味噌汁の素など)があると、食事に飽きた時の救世主になります。また、虫よけスプレーや日焼け止めなどの現地調達が難しいものも準備しておくと安心です。

最後に、留学保険の加入も忘れずに。フィリピンの医療レベルは日本ほど高くないため、万が一の際には日本や近隣国での治療が必要になる場合もあります。クレジットカード付帯の保険だけでは不十分なケースもあるので、専用の留学保険への加入を検討しましょう。


フィリピン留学は確かに万人におすすめできる選択肢とはいえないかもしれません。生活環境の不便さや治安面での不安など、デメリットがあることも事実です。

しかし、短期間での英語力向上圧倒的な費用対効果など、他の留学先にはない独自のメリットがあることも間違いありません。重要なのは、自分の目標や性格、予算などを総合的に考慮して、最適な選択をすることでしょう。

事前にしっかりと情報収集を行い、現実的な期待値を持って臨めば、きっと有意義な留学経験を得られるはずです。

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