台湾旅行に行こうと思って色々と調べていると見かける「つまらない」との声……。
実際のところ台湾旅行は面白いのか、つまらないのか。その判断基準をご提示していきます。
台湾旅行が「つまらない」理由①:観光地が期待外れ?
台湾旅行が「つまらない」と感じられたのなら、その理由として大きいのは、「観光地が期待外れだった」というケースでしょう。
例えば、人気観光地である「九份」。
「千と千尋の神隠し」のモチーフとして紹介されることが多く、美しい赤い提灯が連なる幻想的な雰囲気が写真や動画で広く知られています。
しかし、実際に訪れると「思ったより規模が小さい」「人が多すぎて雰囲気を楽しめない」と感じる人も少なくありません。特に、観光シーズンには狭い石畳の路地に多くの観光客が押し寄せるため、ゆっくりと景色を楽しむ余裕がない場合があります。
また、「千と千尋」の世界そのものを期待して行くと、完全な一致を求めてしまい現実とのギャップを感じることもあります。このような理由から、九份を訪れた一部の人が「期待外れ」と感じるのはある程度理解できるところはあります。私自身も正直、期待が大きかっただけに、「思っていたほどではないな…」「むしろ十份の方が楽しいかな」と感じています。
また、有名な「台湾の白菜」もそうです。
故宮博物院にある「白菜」は、日本の教科書にも載っていて、台湾を代表する文化施設としてご存知の方も多いでしょう。「翠玉白菜」と呼ばれる工芸品で、その緻密さと美しさで有名です。
しかし実際に見ると「あれ、思ったより小さいな…」と感じる人が多いのも事実です(というかほとんどがそう感じる?)。特に、期待値が高い場合、「これだけ?」と思ってしまうことがあります。
※参考記事:台湾の「白菜」とは何?なぜ作られた??なぜ人気???
もちろん、写真や動画では捉えきれない九份の温かな雰囲気や、故宮博物院で展示されている他の数々の貴重な歴史的遺産を楽しめるかどうかは、事前の知識や期待値によっても変わるでしょう。何より両者とも「楽しかった」と感じている人の方が多いのも事実ですから、「人それぞれ」であることを忘れてはいけません。
台湾旅行が「つまらない」理由②:食が合わない!
台湾は美食の宝庫として知られ、夜市での食べ歩きや本格的な料理が旅行の楽しみの一つとなっています。しかし、全ての人が台湾の味を楽しめるわけではなく、特に「八角」というスパイスが原因で、食事が合わないと感じる人がいます。
八角は台湾料理で頻繁に使われる香辛料で、甘く独特な香りが特徴です。この香りは、台湾風煮込み料理や魯肉飯(ルーローハン)などの定番メニューに欠かせない要素ですが、馴染みのない人には「薬っぽい」「クセが強い」と感じられることがあります。初めて食べる際には、その香りが鼻につき、食欲をそがれる場合もあるでしょう。
例えば、日本の旅行者の中には、「魯肉飯が人気と聞いて食べてみたけれど、八角の香りが強すぎて全部食べられなかった」という声もあります。また、夜市で提供されるスナック類にも八角を使った味付けが施されていることがあり、あちこちで同じ風味を感じることに疲れてしまうケースもあります。
女性の場合は八角好きな方も多いのですが、特に男性だと苦手な方がけっこういるんですよね。
ただし、台湾には八角を使わない料理も多く存在します。例えば、ビーフンや水餃子、シンプルな炒め物などは、八角の香りが苦手な人でも食べやすい選択肢です。また、最近では観光客向けに八角抜きのメニューを提供する店も増えてきています。旅行前に自分の好みに合う料理を調べ、現地でチャレンジすることで、食文化の違いをポジティブに楽しむことができるでしょう。
※参考記事:台湾は街中が八角だらけ!苦手な方の対応策と苦手かどうか確認する方法
日本と街並みは似ているところもあるが……
台湾を訪れる日本人旅行者の中には、「街並みや雰囲気が日本に似ていて異国感が少ない」と感じる人もいるようです。
実際、台湾の都市部を歩くと、看板に日本語が併記されていたり、日本のチェーン店を見かけたりと、どこか見慣れた光景に出会うことがあります。
しかし、これがつまらない要素と言えるかは正直疑問です。
日本の雰囲気とはいっても、だいたいどれも一昔前の日本のようなレトロ感があって、日本で感じられる雰囲気ではなく、歩いているだけでワクワクする人が多いのも事実。「夜市」だって、言ってしまえば日本でいう屋台の“台湾版”かもしれませんが、その実態は日本のそれとはまったく異なります。
たしかに、欧米などと比べたら“異国感”は少ないかもしれませんが、台湾には独自の異国感があり、かつ日本と似ていながらもどこか異なる雰囲気もあるのがまた魅力の一つだと思うのです。
台湾旅行の魅力は「コスパ」
海外旅行といえば、ヨーロッパの歴史的建造物やアフリカの雄大な自然など、圧倒的なスケールの観光地が思い浮かべる方が多いかもしれません。確かにそのような場所では、日本とは全く異なる文化や風景を体験できるため、多くの人が憧れます。
しかし、それらの旅行には相応の費用と時間がかかることも事実です。長いフライトや高額な滞在費、移動の手間を考えると、気軽に訪れるにはハードルが高い場合があります。
その点、台湾はコストパフォーマンスの面で非常に優れた旅行先と言えるでしょう。まず、日本から台湾までのフライトは約3~4時間程度と短く、航空券もキャンペーンを利用すれば比較的安価に手に入ります。また、現地での宿泊費や食事代もリーズナブルで、夜市での食べ歩きなど低コストで楽しめる観光プランが豊富にあります。これらを考えると、国内旅行に少しプラスした程度の予算で十分に海外旅行を満喫することができるのです。
さらに、台湾だからこそ楽しめる体験がたくさんあります。例えば、各地のノスタルジックな街並みや、日本と異なる風情を持つ温泉、夜市や朝食も含めた「屋台メシ」などなど……。
※参考記事:旅行でぜひ!「台湾でしかできないこと」を留学経験者が考えてみた
豪華な遠方旅行とは違った良さがあり、日常を離れてリフレッシュするには十分な満足感を得られるでしょう。コストパフォーマンスを重視しつつも、異文化体験をしっかり楽しめる台湾旅行は、多くの人にとって理想的な旅行先なのではないでしょうか。